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『敷き布団に関して、昔からよく“腰の悪い人にはせんべい布団が良い”と言いますよね?』
『うーん、はっきり言ってそれは“間違った俗説”ですねぇ。』
『でも、これを信じている人はかなり多いように思うんですけど?』
『実は僕自身もかつてそうだったんです。学生の頃から腰痛持ちだったので、せんべい布団を腰に良いと思って使っていました。腰痛の特にひどい時なんか、せんべい布団どころか、敷き布団を敷かずに寝たこともあるくらいです。でも今にして考えてみると、無茶苦茶なことをしていたものだと思います。(と言いながら大きなため息をつく)』
『それではなぜ固い敷き布団ではだめなんですか?』
『人間の体は背中から腰、お尻にかけてS字にカーブしています。もし敷き布団が固いと、上の図のように腰が浮いた状態になってしまいます。そうなると腰の周りの筋肉はかなりの緊張を強いられます。これは腰に非常に負担の掛かる状態です。』
『なるほど。それでは逆に柔らかい敷き布団はどうですか?』

『人間の体は胴体部分が一番重く、全体重のおよそ80%を占めます。敷き布団が柔らかいと、上の図のように胴体部分が沈み込んでしまい、体が“く”の字になってしまいます。これまた腰にとっては良い状態とは言えません。』
『草むしりなどで、長時間前かがみになっていたら、腰が痛くなるのと同じですね。』
『そうですね。もちろん柔らかい敷き布団で寝ている場合は、そこまで極端に前かがみになっているワケではありませんが、それでも7時間も8時間も腰の角度が不自然な状態で寝たら・・・当然腰に良いはずはありませんよね。』
『なるほどぉ。固い敷き布団も、柔らかい敷き布団も良くないというのがよく分かりました。』
『結局のところ、敷き布団は適当な固さのものが良いということなんです。ポイントは背中から腰、お尻にかけて、部分的に負担が掛かることなく、いかに理想的なS字カーブを保つか・・・と言うことです。』
『適当な固さの敷き布団とはどんなものなんでしょうか?』
『これに関しては、人によって違います。例えば体重が40sの人と80kgの人で同じ固さの敷き布団で良いはずはありません。やはり実際にお店に来て頂き、いろいろお話しながら、実際に試し寝してもらって選ぶのが一番だと思います。』
『敷き布団も意外と奥が深いですね。』
『深いですよ・・・それにもかかわらず敷き布団は軽く見られていると言いますか、掛けの羽毛布団は良いものを買っても、敷き布団にはあまりお金を掛けない人が多いように思います。』
『その辺は我々布団屋が、これまで敷き布団の重要性をちゃんと伝えて来なかったせいでもありますね。』
『そうですね。敷き布団の重要性に関してもう一つ付け加えると、敷き布団が合わずに寝姿勢が悪いと、無意識のうちに寝返りの回数が増えてしまいます。そうなるとどうしても眠りが浅くなってしまい、眠っているはずなのに疲れが取れない・・・なんていうことになりがちです。』
『単に腰に良いとか悪いとかではなく、敷き布団が眠りの質そのものに影響するということですね。敷き布団って本当に大切ですねぇ。』
『(力を込めて)まさにその通りなんです!だからこそ、自分に本当に合っている敷き布団はどれなのか・・・こだわって選んでもらいたいと思います!』
最語にひとつだけ補足を・・・
会話の中で、ヒラ店員の話す内容がずいぶんとシロウトっぽいのですが、これは話の都合上敢えてそういう役回りを演じているだけです・・・実際のヒラ店員は、やや天然ボケではありますが、ちゃんとした眠りのプロですので、ご安心・ご信頼下さい。
(せいぶ通信11号より一部内容を改変して再録)
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